ケアマネジャー試験過去問第20回、平成29年10月8日(日)に行われた実務研修受講試験(保健医療サービスの知識等)の問題です。
※基礎 26~40問題※
※総合 41~45問題※
保健医療サービスの知識等 26~45問題
問題 26 検査について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 低栄養指標には、BMI(Body Mass Index)が18.5未満、血清アルブミン値が3.5g/dL以下などがある。
2 ヘモグロビンA1cの値は、過去1~2か月の血糖レベルを反映している。
3 大動脈疾患や進行した動脈硬化の場合は、左右の上肢で血圧に差がみられることがある。
4 狭心症は、症状がなくても心電図により必ず診断できる。
5 赤血球数や血色素の基準値は、性別で異ならない。
問題 27 高齢者に多い疾病について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 関節リウマチでは、朝の起床時に指の関節がこわばり、屈曲しにくくなる。
2 脊柱管狭窄症では、腰痛、下肢痛、しびれはみられない。
3 大腿骨頸部骨折の受傷原因として最も多いのは、転倒である。
4 加齢黄斑変性症は、高齢者の重篤な視力障害の原因の一つである。
5 ノルウェー疥癬(角化型疥癬)は、ダニの数が少ないので、感染力が弱い。
問題 28 循環器に関する次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 心筋梗塞、弁膜症による心不全では、呼吸困難などの呼吸器症状は出現しない。
2 心房細動は、脳梗塞の原因の一つである。
3 心筋梗塞には、発症後短時間であれば、閉塞した冠動脈の再疎通療法が適応となる場合がある。
4 不整脈は、心臓自体の異常のほか、ストレスや喫煙、睡眠不足、飲酒などで起こることもある。
5 起立性低血圧が認められた場合には、心臓の負荷を減らすため、血管拡張薬が処方される。
問題 29 呼吸器疾患について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 急性上気道炎では、ウイルス感染が疑われる場合であっても、肺炎予防のために抗菌薬を使用する。
2 誤嚥性肺炎は、口腔咽頭分泌物などを繰り返し誤嚥することにより発症する。
3 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬が使用される。
4 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、介護保険法の特定疾病に指定されている。
5 慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、発症すると症状は改善しないため、禁煙する必要用はない。
問題 30 神経難病について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 筋委縮性側索硬化症(ALS)では、眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれる。
2 筋委縮性側索硬化症(ALS)でみられる筋力低下や筋委縮には、筋力トレーニングが効果的である。
3 パーキンソン病では、精神症状、自律神経症状は出現しない。
4 パーキンソン病の治療は、薬物療法が基本である。
5 進行性核上性麻痺では、思考の遅延や無感情などの認知機能低下を早期から認めやすい。
問題 31 認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 BPSD(認知症の行動、心理症状)は、一般に認知症が進行するほど重症化する。
2 血管性認知症では、適切な治療やリハビリテーションにより、認知機能が改善した例もある。
3 レビー小体型認知症は、幻視が特徴的で、払いのけたり、逃げるような動作を伴う。
4 アルツハイマー型認知症の治療薬は、易怒性などの興奮性のBPSD(認知症の行動・心理症状を)を悪化させる可能性がある。
5 慢性硬膜下血腫による認知機能障害は、慢性化しているため、血糖を除去しても回復が期待できない。
問題 32 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 老年期うつ病は、認知症と明確に区別され、認知症に移行することはない。
2 せん妄は、興奮を伴うことが多いが、活動性が低下するんのもある。
3 せん妄の発症の誘因として、睡眠障害、薬剤、環境の変化などが挙げられる。
4 せん妄の治療は、誘因にかかわらず薬物治療を最優先とする。
5 統合失調症は、軽症化したとしても、その後症状が再発することがある。
問題 33 感染予防について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 標準予防策(スタンダード・プリコ―ション)の基本は、人の体液や排泄物のすべてに感染性があるものとして取り扱うことである。
2 ノロウイルス感染者の嘔吐物処理に際しては、汚染した場所をアルコール綿で拭き取ればよい。
3 水痘、麻疹、風疹及びB型肝炎は、ワクチンで予防可能な感染症である。
4 咳エチケットは、インフルエンザと診断されたときから心がければよい。
5 高齢者を対象とする肺炎球菌ワクチンは、定期接種となっている。
問題 34 褥瘡について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 エアーマット等の除圧効果のある予防用具を用いた場合には、体位変換を行う必要はない。
2 褥瘡の発生を促す全身性因子には、低栄養、知覚麻痺、意識障害、失禁などがある。
3 褥瘡がある場合には、症状が悪化するため、入浴は避ける。
4 褥瘡は、一般に感染を伴うことが多く、肺血症の原因となることもある。
5 再発や新たな部位への発生を予測するためには、褥瘡のリスクアセスメントを行うことが有効である。
問題 35 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 在宅自己注射は、患者に代わって家族が行うことはできない。
2 高齢者の肺炎では、食欲低下、意識障害、不穏などの症状を示すことがある。
3 脳梗塞の予防には、血圧管理のほか、耐糖能低下、脂質異常などに留意する必要がある。
4 インフルエンザの予防接種の対象者には、寝たきりの高齢者は含まれない。
5 敗血症の主な症状は、高熱、悪寒、ショック状態などである。
問題 36 在宅医療管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 ストーマを造設しても、入浴は可能である。
2 疼痛管理などに自動注入ポンプを用いる場合には、トラブル発生時の対応方法をあらかじめ関係者間で共有しておく。
3 在宅中心静脈栄養法を実施しているときは、経口摂取を行ってはならない。
4 血液透析を行っている利用者では、シャント側の腕での血圧測定を避ける。
5 胃ろうを取り扱うときは、損傷防止のためカテーテルを回転させないようにする。
問題 37 在宅酸素療法について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 酸素ボンベの使用に慣れれば、医師の指示がなくても、酸素吸入量は自由に設定してもよい。
2 酸素消費量が多くなるため、入浴は行わない。
3 電磁調理器の使用時には、酸素吸入は行わない。
4 鼻腔カニューレの使用中であっても、食事や会話が可能である。
5 呼吸同調型酸素供給装置を使用することで、酸素ボンベの消費を減らすことができる。
問題 38 高齢者のリハビリテーションについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 安静臥床が続くと心肺機能などが低下するため、早期離床を図る。
2 左半側空間失認では、右半分に注意を向けるようなリハビリテーションの工夫をする。
3 リハビリテーションでは、低血糖発作の出現、痛みの増悪、転倒リスクの増大などに対する注意が必要である。
4 福祉用具の給付は、障碍者総合支援法が介護保険法に優先する。
5 回復期リハビリテーションでは、機能回復、ADLの向上及び早期の社会復帰を目指す。
問題 39 短期入所療養介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 検査、投薬等は、利用者の病状に照らして妥当適切に行う。
2 送迎加算は、算定できない。
3 介護老人保健施設の短期入所療養介護では、看護職員又は介護職員の員数の合計は、常勤換算方法で利用者の数に対し6:1以上である。
4 短期入所療養介護をおおむね4日間以上利用する場合は、居宅サービス計画に沿って短期入所療養介護計画を策定する。
5 緊急短期入所受入加算は、利用開始日から起算して7日を限度として算定できる。
問題 40 介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 施設内で入所者に対して行った緊急な医療処置については、医療保険から給付される。
2 看取りなどを行う際のターミナルケア加算は、算定できない。
3 入所者の居宅における外泊時には、介護保険施設サービス費は算定できないが、外泊時費用を月に6日まで算定できる。
4 医師の指示に基づき必要と認められた場合は、経口移行加算は180日を超えても算定できる。
5 一定の基準を満たす施設において、若年性認知症入所者に対して介護保険施設サービスを行った場合には、受入加算を算定できる。
問題 41 高齢者の疾患について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 症状は、しばしば非定型的である。
2 複数の疾患を有することが多いため、積極的に多くの薬剤を併用する。
3 環境の変化により、病状が変動することはない。
4 老年症候群には、認知症、うつなど精神疾患・精神症状も含まれる。
5 高齢者のQOLや予後は、療養環境、家庭や地域社会の対応などの社会的要因によって影響される。
問題 42 高齢者のがんとターミナルケアについて、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 若年者と比較して、高齢者ではがんによる痛みの訴えが多くなる。
2 BPSD(認知症の行動・心理症状)には、がん性疼痛が原因のこともある。
3 小規模多機能型居宅介護では、ターミナルケアは提供できない。
4 介護老人保健施設入所者に対するがんの治療は、医療保険の適用について制限を受けない。
5 死後のケアであるエンゼルケアは、遺族のグリーフケアとしても意味がある。
問題 43 服薬管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 高齢者の服薬管理能力の把握には、ADLや生活環境の評価は必要ない。
2 高齢者が服用中の薬の副作用の不安を訴えた場合は、その意思を尊重し、すべての服薬の中止を勧める。
3 認知機能低下は、用法や薬効に対する理解不足を生じさせ、適切な服薬管理を困難にする。
4 「お薬手帳」により、処方情報を共有する。
5 居宅療養管理指導では、薬剤師は、医師や歯科医師の指示を受け、利用者を訪問して薬学的管理指導を行う。
問題 44 訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 介護保険の訪問介護費は、看護小規模多機能型居宅介護と併用して算定できる。
2 看護師は、臨時応急の手当を行うことができる。
3 訪問看護事業所の開設者は、医療法人及び社会福祉法人に限られる。
4 急性増悪時に主治医が交付する特別指示書の有効期間は、14日間である。
5 看護体制強化加算は、緊急時訪問看護加算、特別管理加算、ターミナル加算の各々について一定の要件を満たした場合に認められる。
問題 45 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 介護予防訪問看護は、介護予防・日常生活支援総合事業の介護予防・生活支援サービス事業に含まれる。
2 居宅療養管理指導は、管理栄養士や歯科衛生士も行うことができる。
3 30日以上継続して短期入所療養介護を利用することについてやむを得ない理由がある場合には、30日を超えて短期入所療養介護費を算定できる。
4 看護小規模多機能型居宅介護の運営推進会議は、利用者の家族や地域住民の代表者も構成員となる。
5 介護予防訪問リハビリテーションを介護予防サービスに位置付ける場合には、主治医の指示があることを確認する。